秘密の手紙
体の中で吐き出せない感情が渦を巻いた。まるで自分自身が海になったようだった。呼吸は荒くなり、言葉が荒々しい音を立てて口から飛び出そうになる。私は必死に口を押さえながら紙を用意し、ペンで綺麗とは言えない文字を綴った。ボタボタと両目から流れるそれは、文字を更に歪ませる。
ゆっくりゆっくり波がひいていき、私はそれを封筒にでも入れるかのように四角に折り、一呼吸後に切り裂いた。
「私の感情は、私が知っていればいい」
――震えた声に、鼻先がツンと痛んだ。
日々家
12/4/2025, 2:17:33 PM