思いつきなんちゃって小話

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【ティーカップ】

たっぷりの茶葉をティーポットに入れ、3分の時を待つ。

茶葉が溶けるように、ゆっくり飴色になっていくお湯。

砂時計の砂が落ちる間に、さあ準備を。

お気に入りのペアのティーカップ。

角砂糖のいっぱい入ったシュガーポット。

ミルクティーが好きなあなたにミルクピッチャー。

2人だけのお茶会だから、お菓子は気取らず平皿に。

砂時計が落ちきればやっと始まるティーパーティ。

窓の外を向いたままのあなたに呼びかける。

振り向かせるといい笑顔のあなたがいる。

あなたのかみに付いたホコリを払う。

あなたの隣は私の特等席だったけど、
今はあなたの顔が見たいから正面に。

カップに紅茶を注いでいく、
湯気がたちこめあなたの顔が曇る。

あなたと飲む紅茶が好きだ。
けどあなたが飲むのは邪道なミルクティー

けどなんだか今日はちょっとミルクを入れたい気分。

トポトポとゆっくりミルクを注ぎ、角砂糖を2個…

ゆっくりかき混ぜいただきます。

そんな私を見たってあなたの表情は変わらず、
文句一つ言いやしない。

あぁ…やっぱりミルクティーは美味しくない。
涙の味がする。

11/11/2025, 10:24:02 AM