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ー永遠の花束ー

私の胸には、いつだって花束がある。

あれから随分と経ったけれど、あの頃は、胸がざわめき疼くような日々だった。
いつだって、暗闇の渦に飲み込まれるのは簡単だった。
涙は全てを洗い流さず、胸の中に水溜りができて、沈み込みそうだった。

そんな日々に、自分へ花束を送ろうと思い立ち、花屋の店員さんと一緒に花束を作った。
カーネーションやガーベラ、バラを組み合わせた、オレンジと黄色の花束。
自分への人生初めての花束だった。

それは、いつのまにか枯れてしまったけれど、あの日の花束は、今も私の胸にある。
元気のない日に、思い出すとそっと暖かさをくれる。
そんな永遠とも言える花束は、その日々の感情ごと、これからも色褪せることなく私の胸で咲き続けるだろう。

2/5/2025, 3:43:28 AM