降りくる矢が二人の間を裂く。同時に魔物の怒号が辺りに響いた。別方向へと身を翻し、視線が交えた――刹那。僅かな時だが十分だった。それだけで、互いの考えることは手に取るようにわかるのだから。『上は頼んだよ』『さっさと足場を作れ』目元に浮かぶ微笑みはただの強がりなどではなく信頼の証だ。
4/29/2024, 9:08:04 AM