夏野

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実家の裏にある山は、お天気雨がよく降る。


必ず傘を持って遊びにいった。
広げてくるくる回して歩く。
太陽に照らされた雨粒、すごく綺麗。
この時間が好きだった。


気付くと隣に知らない子がいて、傘にいれてあげた。
2人で静かに眺める景色は、幻想的で美しい。


「ありがとう」
声が聞こえたと思ったら、その子はいなくなっていた。




そういえば、昔、祖母が言っていたのを思い出した。
「あの山にはねぇ、神様がいるんだよ」

あの子はたぶん神様だった。

6/20/2023, 1:33:14 AM