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「私とあなたじゃ住む世界が違う 第三十三話」

志那と梨々華とフロンティアウォーカー達は、戦う準備をしました。
「お待たせ…って、男子達はスゴイ衣装着てるじゃん!」
志那は、フロンティアウォーカー達が着ている冒険服を見て驚きました。
「ま、歌い手の特権だな」
「カインド、自慢気に言うの止めて下さらない?」
梨々華は、少しムッとしました。
「ところで、パズルの人達に言わなくて大丈夫かな?」
志那は、少し不安になりました。
「今回は仕方無いよ。敵は饅頭だけだし、僕達だけでやっつけよう」
スモークは、仲間の敵討ちにパズルの人達を巻き込みたくありませんでした。
「皆、武器を持ったかな?行くぞ」
ロードを先頭に、志那達は出発しました。
「…?!オイ、お前らどうしたんや?夜やぞ」
森に向かおうとする志那達を、夜回りをしていたマゼンタは見つけて止めました。
「マゼンタさん!」
志那は、突然、マゼンタが現れたので驚きました。
「あの…私達は、スプライトを脱退させた犯人を探しているのです」
梨々華は、マゼンタに事情を説明しました。
「饅頭達か…かまへんけど、気ィ付けや」
「行ってきまーす!」
志那達は、森へ向かいました。
「皆、こっちの方角に逃げて行ったんだ」
スモークは、皆を饅頭達が逃げて行った方角へ案内しました。
「饅頭が引きずられた様な跡がある…」
志那は、地面を見て饅頭が逃げて行った跡を追跡しました。
「スモーク、アレじゃないか?」
ロードは、古びた塔を見つけました。
「じゃあ、ソコに向かうぞ」

志那達は、古びた塔に辿り着きました。
「何か、肝試しで入りそうな不気味な建物だね…廃屋か何かかな…?」
志那は、若干恐怖でした。
「饅頭達は、ココに逃げて行ったんだ」
「スモーク、案内サンキュ。本当にココに犯人が居るのか分かんねぇけど、入って見るぜ?」
カインドは、肝試し感覚で古びた塔の中へ入って行きました。
「犯人が既に逃げてるって事も有りうるよね…?でも、中に隠れてるって事もあるし、怖いけど入ってみよう」
スモークも入って行きました。
「…俺達も入って見るか」
残りの三人も入って行きました。
「何か、怖いなぁ…」
志那は、恐怖でいっぱいでした。
「く、暗いなぁ…」
建物の中はほぼ真っ暗で、薄明かりで中の物の輪郭が分かる程度でした。
「ねぇ、一応ランタンを一個だけ持ってきたんだけど、他にランタン持って来た人、居ない?」
志那は、カバンからランタンを取り出しました。
「そう言えば、私、ランタンを持ってませんわ」
「ランタン…僕も持ってないよ」
「あ…俺も…持ってない」
「俺も、ランタンなんて持ってねぇぞ」
一同は、固まってしまいました。
「…二手に分かれる時、どうするのよ…」
「志那、スマホの光でも構わねぇか?」
カインドはスマホを取り出して、ライトを付けました。
「じゃ、探そう」
一方、拠点では、マゼンタがメンバーを集めて話し合いをしていました。
「…と、言う訳や。アイツらだけではちょーっと不安でな」
「確かに、回帰光玉を一撃でぶつけて来る位だから、相手は相当強い可能性があるよね?」
スカイは、マゼンタの話を分析しました。
「あの子らやフロンティアウォーカーの実力じゃ倒せんから、助けは必要っつー訳やな」
オーシャンを始めとするパズル達は、戦う気満々でした。
「さぁ、行くぞー!俺は気合い充分だ!」
「ノアール、スゲーやる気だな!」
「ノアールとスカーレット、スゲーやる気やな…付いてけへんわ」
スノーは、異常なやる気の二人を見てシラケていました。
「じゃあ、皆!行くで」

10/1/2022, 10:23:33 AM