「雪を待つ」
雪を待つことは私の娯楽でもあり使命でもある。
空から降ってくる白い雪。私の生きている国では、滅多に雪が降らないので 雪は神から与えられた特別なものだという言い伝えがあった。
その中でも、今まで誰も見たことがないと言われている幻の「黄金の雪」というものがあるとされていた。
「黄金の雪」は名前の通り黄金に光っており、たった数粒しか降らない幻の雪だ。
そんな黄金の雪を採取するべく、国は全国各地の国民を選び、雪が降ったら黄金の雪を探すことを命じた。
その国の命令で黄金の雪を探す者に選ばれ、雪が降っている今 外に出て黄金の雪を待っているのが今の私だ。
「探す」といっても私は素直に待っていた方が黄金の雪はふと現れるのではと思ったので、雪が降ったら外に出てのんびり降ってくる雪を見ながら黄金の雪を待とうと思った。
また、私は雪や雪景色を見るのが好きなので、好きな雪を見ながら黄金の雪を待てるのは一石二鳥だった。
雪を待つことは私の娯楽でもあり使命でもある。
今日も私は空から降り注ぐ雪を見ながら黄金の雪を待ち続けるのだった。
12/16/2024, 9:23:05 AM