久しぶりにみんなで会話できる通話。ここ最近は入試やらなんやらで忙しくしたあと、バカが一発で受からなくて第4とかいったり、生真面目が引っ越しだのなんだのでみんな揃うのは通話でもなかなかなかった。
そんなときだ。そういえば、と通話でバカがみんなに確実に聞こえる声でいった。
「彼女できたんだわ」
「ハイハイハイハイ彼女ね彼女彼女」
「んもー妄想もそこら辺にしときなって」
「そんな嘘ばっかりだからモテないのですよおバカ」
バカの言葉に、俺も自称ギャルも生真面目も無関心で返す。このメンバーに恋人なんてできるわけがないのだから。
「いやマジマジ。今日遅れたじゃん?彼女からメール来てさぁ、それちょっと返すのに時間くってたワケ」
「?」
「……?」
「…………?」
「「「???」」」
「そんなに僕の言葉が信じれないのかお前らは」
バカの言葉にこてんと時間差ありきで全員首を傾げた。いやないないない、ないないない。このバカに恋人、だなんて……。
「そいつは俺より強いんだろうな?」
「うちより金持ってなきゃだめじゃん?」
「私より頭いいのですか?」
「えなに急にそんなモンスターいてたまるか」
ちなみに俺は剣道で何度も世界大会優勝してる。剣なら負け知らずである。そんで自称ギャルは父母の影響でドがつくほどの超人気有名インフルエンサー。スパチャの額はパンドラの箱。そして生真面目は世界で一番IQが高いと言われる大学入学確定で英検と数検どちらも一級。頭が良すぎてテスト時の会話がわけわからん。
「……待って、なんか歩いてない?みんな」
「べぇぇつにぃぃ?今から自転車で最寄りの電車までとかないけどねほんと」
「そーそ今から車出そうとか思ってないよまじまじ」
「ほんとですよまさかそんなバスに乗ろうとしてるわけないじゃないですか」
「ねえ図星じゃん図星じゃんそれは」
「「「いやいやいや全然全然」」」
俺、自称ギャル、生真面目が声を揃えて言う。そうまさかそんな、今からバカの住んでる地域に行こうとか、その彼女のツラ拝んでやろうとか思ってない。彼女がほんとにいいやつなのか見極めようとかもなんも。ただそういえばあそこで買わなきゃいけないものがあった気がする。うんきっと確かそうだそうに違いない。
「ギャルっちもうすぐ電車」
「私はあと20分程度です」
「俺は電車待ち。自称ギャル引っ越してなかったよね最寄り駅同じか?どこ?」
「うちねー」
「待って待って待ってみんな」
「え何が?」
「ちょこっと必要なもの買いに行くだけだようちら」
「そうだよ」
「ちょエイプリルフールエイプリルフール!!嘘嘘嘘!!!僕の真っ赤な嘘!!!!」
……エイプリルフール?バカの一声で俺らが止まる。そして、一斉に喋りだした。
「なぁんだもーエイプリルフールですか」
「エイプリルフールねおっけおっけ把握把握」
「あーエイプリルフールかあそんなのあったねー」
一気にニコニコとした声色になる俺らに、
「こ、怖……怖すぎ、なんで?情緒死んでる?もエイプリルフールやめとこ……」
バカは無自覚にもそう呟いた。
このまま無自覚ではいけない。そう思った俺は、とあること……バカと同じことを言う。
「―――俺に彼女ができたっつったらどう思う?」
「アホってまだあそこの家だよね今会いに行くね」
「来なくていい来なくていいエイプリルフールだっての。だから車出そうとすんなバカ」
4/1/2026, 12:01:57 PM