虹の始まりを探して
僕は君の幼馴染でありながら、君に恋をしてしまった。前までなんとも思わなかったその笑顔も、いつしか意識してしまうようになってしまって、僕は少しだけ君にアピールをした。そんな事をしていたらいつの間にか1年が経ち、僕らの関係は変わらないまま。
ある休日、君に呼び出された。
そんなことは無いと思いつつも少し告白を期待する。いつもよりも少し格好をキメて、君に会いに行く。
いつもと変わらない君の口から出た言葉は思いがけもしなかった言葉だった。
「虹の始まりを探しに行こう」
馬鹿らしい、とは思ったが、そんな所も君らしくて好きだ、なんて心の中で思う。
君が言うには、虹の始まりを見つければ願い事がひとつ叶うとのこと。
「願い事ってなんなんだ?」
「んー、好きな人と結ばれたい!かな!」
「す、好きな人なんかいたのか。お前らしくない。」
好きな人がいたのか…。
…もう、叶わないじゃないか。
好きな人に想い人がいたことにテンションが落ち込むが、君と「虹の始まり」を探しに行く。
数時間探しても見つからない。
見つかるわけが無いとは思っていた。でも、君といる時間を増やしたくて口出しすることなく付き合った。
「んー、見つかんないな…」
「いつのまにかもう虹が出てる時間じゃないな。」
「うーん、願い事は自分で叶えろってことかな?」
「神様も優しくないな〜!」
何事もポジティブに終わらす、君のそんなところが好きだなぁ、なんて考えながら君の横顔を眺める。
君は少し黙りこくったあとこう言った。
「じゃあ、叶えるね。」
「私と付き合ってください。」
ーー
お久しぶりです🙏💦長らく更新できてなくてすみません🥲
今回は長めに書いてみました。
7/29/2025, 6:53:16 AM