『正直』
この世に正直にものを言い合える人なんていない。そう思い始めたのは私が小学校3年生の頃だった。友達に愚痴を言ったら、数日経ったある日その友達に呼び止められた。
『私のことどう行ってもいいけど、友達のことは悪く言わないで。』
一瞬思考回路が止まった。体の中の体温が全部ランドセルに吸い込まれていくような感覚に陥った。気づいたら私は息を切らしながら走っていた。その数年後学校という社会から固執した人間になった。
「今日掃除じゃん。」
1人の男子がそれに気づいた瞬間、箱と中は一気に倦怠感で溢れた。たんたんと掃除の準備を始める人々の中、私は少し恐怖を覚えながら準備を始めた。今日も私の机はちゃんと運ばれるだろうか。
こんな馬鹿なことを考えてしまうのはこの箱の中で私だけだろう。
6/2/2024, 1:41:19 PM