いぶし銅

Open App

時計の針

男は先日、黒いリュックサックをショッピングモールに置いた。それから男は1時間ごとに2回、その後30分ごとに数回リュックサック周辺を彷徨いていた。午後6時頃のこと、そのリュックサックは警備員に発見され、回収された。そのリュックサックにはビニール袋、ぬいぐるみ、ペットボトルが2本入っていたため、そのようにアナウンスされた。男はしっかりアナウンスまで聞くと、満足したように自宅に帰った。

そして今日、またリュックサックが置かれた。ただ今回は1つではなく、リュックサックのような形状のものが10個程置かれた。それは午後4時頃の出来事で、そのままその足で管理事務所へ向かった。

今日、管理事務所にある男が尋ねてきた。男は震えた声で、
「少し前、リュックサックを無くしました。もしかしたらここに届いているかもしれない。色は黒です。」
と言った。あるよ。ぬいぐるみが入ったやつだろう?高畠先輩が言うと
「そうです。ありがとうございます。」
と受け取った。男は焦ったような手つきでペットボトルを飲み干した。私たちが呆気にとられているとポケットから刃物を取り出し、
「毒が回りました!脳に回りました!」
と言いながら首を切った。

通報を受け駆けつけると、確かに男の死体があった。気分が悪そうにしている女性に私の部下は水を飲ませていた。その事務所にいる、恐らく最も年配の男性に話を聞くと、男が突然首を切ったらしい。戦った痕跡を調べるため、男の袖をまくると、おびただしい数の切り傷が出てきた。私は男性に腕の傷のことを知っていますか?と尋ねたが、男性は知らない、いきなり首を切り出しただけです。と言った。部下と協力し男の服を脱がすと
6 10ヶ所 BOMB と読めるナイフで切ったような跡が付いていた。その途端無線で連絡が入り、見回りのため同行していた同期がフードコートで爆弾を発見した、という通報が入ってきた。部下は私と目を合わせると途端に走り出し、飛ぶように階段を降りていった。私は部下の意図を汲み取り、男の死体に6、10ヶ所、BOMBと書いてあります。6は恐らく6時のことです。至急応援を呼んでください。と連絡を入れた。

夫と直樹と買い物に来たが、何故か警官がぞろぞろと来る。警官の制服が好きな直樹は興奮していたが、危険だと判断し、警官から離れた。その事を夫に相談するも、揉め事でもあったんだろうと話を切り上げられてしまった。直樹がゴネるため、そのまま2階のゲームセンターに向かった。その途中リュックサックが落ちていた。私の嫌な予感は的中し、直樹はそれを取ろうとしていた。私は直樹を叱っていた。

5時50分。見つけた爆弾の数は8つ。男の言うことが真実ならあと2つの爆弾が爆発することになる。私は爆弾処理班の到着を待つ間、管理室からアナウンスを入れ、客を避難させた。本部からは混乱を避けるためなるべくアナウンスするなと言われていたが、一刻を争うためアナウンスをした。無線で探した場所を報告し合いながら爆弾を捜索していると、ある家族がいた。その母親が、直樹!避難しろって言われてるでしょ!と息子を怒鳴りつけていた。私は避難を優先させ、その子の手を引き、落ち着いてくださいと訴えかけた。子供は痛く冷静に、エスカレーターの途中に落し物あったよ。と教えてくれた。私はそれがその子の落し物だと思い、今から探しに行くね。とで待っててねといった。

爆弾が1つ見つかり、見つけた全ての爆弾は処理班によって解除された。あと1つ、あと1つだけ見つけなければ。
時刻は5時57分。恐らく残り時間は少ない。私は男の子の言葉を思い出し、悪寒が刺した。もしかしたらエスカレーターにある落し物は爆弾なのではないか。部下と共にしらみ潰しにエスカレーターを探すと確かにそこにあった。爆弾は全て見つけた。が、到底手が届くような位置ではない。エスカレーターの奥、手すりの隙間に落ちていた。私はそれを無線で知らせると、無線の処理班からは、恐らくもう解除が不可能だという旨の知らせを受けた。6時のチャイムが鳴った。私は動く地面を震える足で踏みしめて、エスカレーターの外に飛び出した。3mほどの高さから飛び、背後からは爆発音がした。
衝撃波を一身に受け、私の体は地面に打ち付けられた。

昨日、午後6時、気仙沼市のショッピングモールに爆破予告がされました。通報に駆けつけた警官の懸命な避難運動により、死者0名、負傷者1名となりました。
続いてのニュースです。

2/7/2026, 8:18:07 AM