耳を澄ますと 君と出逢って、 明日世界が終わるなら…… 初恋の日 一年前 忘れられない、いつまでも。 モンシロチョウ 愛を叫ぶ。 です。
耳を澄ますと
耳を澄ますと聞こえてくる、キミの歌声。
キミは気づいていないみたいだけど、時々聞こえる楽しそうな歌声。
歌っているときに声をかけたら、恥ずかしがって、歌わなくなってしまいそう。
キミの楽しそうな歌声を聞くと、僕は幸せな気持ちになれるから。
だから言わない。
キミの歌声をずっと聞いていたいから。
君と出逢って、
君と出逢って、僕の世界が変わった。
何をするにも人の顔色を伺い、怒られないか、嫌われないか、そればかりを考え、常に僕の心は怯えていた。
けど、君と出逢って、僕は僕のままでいい。
そのままの僕が好きだから。
と言ってもらえて、その言葉が嘘じゃないというように、僕が何をしても、何を言っても、嫌うことなくそばにいてくれる。
ありがとう。君と出逢って、僕の生活は息苦しくなくなった。
そんな生活を僕にくれた君の生活が、安らぎに満ちるよう、僕も君のそばで、ずっと君を愛していくよ。
明日世界が終わるなら……
明日世界が終わるなら……ねえ。
「明日世界が終わるなら、何をする?」
キミにそう聞かれ、考えてみる。けど、パッと思いつかなくて
「キミは何をするの?」
逆に聞いてみると
「私?私は…そうだなぁ」
キミは一瞬考え
「好きな物を好きなだけ食べる」
その場面を思い浮かべているのか、にこにこしながらそう言った。
「ああ、それもいいね。じゃあ僕はキミの隣で、キミが食べているところを眺めていようかな」
「え?一緒に食べるんじゃなくて?」
「うん。キミの幸せそうな顔を見ていると、僕も幸せだから」
明日世界が終わるなら……やっぱり僕はキミといたい。強くそう思った。
初恋の日
僕の初恋の日。
それはいつになるんだろう?
今まで歩いて来た道の中で、出会った人は少なくはないのかもしれない。
けれど、目が離せない。ドキドキする…。
そんな感情を持つ誰かには出会ったことがない。
友だちから、恋人ができた。って話を聞いて、
いいな。って思わなくはない。
でも、心が動く人に出会えてないから仕方ない。
僕は、僕の初恋の日。を楽しみに待とうと思うのだった。
一年前
一年前、この場所でキミに出逢えていなかったら、
今ごろ僕は、どうしてたんだろう。
「はぁ」
僕は公園のベンチに座り、ため息を吐いた。
「何でうまくいかないんだろう」
大学のみんなが次々と就職先を決めていく中、僕はなかなか決まらない。
「どうすれば受かるのかな」
ベンチに背をもたれ空を見上げたとき
「お疲れさま」
聞き覚えのある声が聞こえる。
「え?」
声が聞こえた方に首を向けると、声の主は同じサークルの子だった。
「ああ、お疲れさま」
姿勢を戻し笑顔を作ると
「良かったらどうぞ」
と、缶コーヒーを差し出してくれた。
「…ありがとう」
好意を有り難く受け取り、一口飲むと、彼女の優しさと缶コーヒーの甘さが身に沁みる。
「はぁ~」
ホッと一息つくと
「就活大変だよね」
僕の隣に座った彼女も缶コーヒーを飲みながら、ふふっと笑った。
「あれ?キミもまだ決まってないの?」
「うん。なかなか決まらなくて」
そう言ってはいるけれど、ため息を吐いてばかりの僕とは違い、彼女はにこにこしている。
「そうなの?じゃあ何で笑っていられるの?」
不思議に思って聞いてみると
「決まらなくて焦る気持ちはあるの。でも、焦って暗い顔をしているより、笑っていた方が印象も良いと思うから」
そう言われ、ハッとする。
その後、彼女のように笑顔でいるようにしたら、就職先が決まった。
一年前、キミに出逢えたから今の僕がある。
あの後、キャンパス内でもサークルでもキミに会えなかったからお礼は言えていない。
今度会えたら、お礼を伝えようと思った。
忘れられない、いつまでも。
「今日は何時に帰れるかな」
用事があるから。と、同僚に頼まれた仕事。
毎日のように、いろいろな方から頼まれるから、用事があるなら頼まれるのは仕方ない。と思っていた。
「よし。さっさと終わらせて帰るぞ」
と腕まくりして作業に取り掛かろうとすると
「あれ?残業?」
と声をかけられた。
「あ、お疲れさまです部長。直帰の予定では?」
声がした方を見ると、今朝、部署に顔を出した後出張に出かけ、直帰する予定の部長がいた。
「お疲れさま。デスクに忘れ物をしてしまってね。取りに来たんだ」
苦笑しながら自分のデスクに向かい、忘れ物を取ると
「で、キミは残業なの?」
私の方へ近づいて来た。
「はい。なるべく早く終わらせますので、部長はどうぞお先に…」
「いや、1人より2人だろ。手伝うよ」
近くのデスクに荷物を置き、部長も腕まくりをする。
「いえ、出張でお疲れでしょうし…」
「どれ」
私の制止を気にも留めず、部長は私の手元の資料を覗き込み
「ん?これ、キミに振った仕事じゃないよね」
それを見て眉を寄せる。
「はい。今日中の提出だけど、用事があって残れないから続きを頼む。と渡されました」
「そうか…」
部長はそれ以上何も言わず、仕事を手伝ってくれた。
「お疲れさま」
頼まれた仕事は部長のおかげで早く終わらせることができた。
「出張でお疲れのところ、ご助力いただきありがとうございました」
頭を下げる私に
「他のやつの分をやらせてすまない。今度からは、自分に振られた仕事は自分でやるよう、他のやつにいかないように俺も目を光らせておくよ」
そう言って、ふわりと笑った部長の笑顔が、忘れられない、いつまでも。
モンシロチョウ
青空に、白い羽根が映えるモンシロチョウ。
羽根を広げるまでは地味な姿なのに、羽根を広げた途端、目を引く姿へと変貌を遂げる。
まだまだ自分も発展途上。
モンシロチョウのように、変貌を遂げたい。
愛を叫ぶ。
愛を叫ぶ。
誰に叫ぼう?
愛を伝えたい人なら
家族、友人、ペット…がいる。
でも、叫ぶほど、大きな声で愛を伝えたいのは1人だけ。
そう、愛するキミだけ。
だから僕はキミに愛を叫ぶ。
「愛してるよ」と。
5/12/2026, 6:04:16 AM