私には、霊とかそういう類のものが見えるらしい。
ある日、神様と名乗る人物が私の前に舞い降りてきて、こう言った。
「貴女は人のために尽くしなさい」
何故かこの言葉は無碍にはしてはいけない気がして、私は全力で人のために尽くそうと思った。
看護師の資格や介護士の資格、とりあえず人の役に立ちそうな資格を全て取り、必死で人のために働いた。
定年で退職してからも、小学校の読み聞かせなどのボランティアにも参加した。
しわくちゃのおばあちゃんになってからも必死に―――
「あら?ここはどこかしら?」
空が青い。地面のようなものは雲かしら。フワフワしているわね。
そう考えているうちに、あぁ、遂に私は死んだのだと悟った。
「ようやく会えたね。待っていたよ」
声がする方向を向いてみると、ずぅっと昔に神様と名乗った人物がいた。神様のことをよく見てみると、思わず涙がこぼれおちてしまった。 だって神様は、交通事故でなくなった、私が若い頃に愛した人だったから。
「私も会いたかったわ」
私は神様のことを強く、強く抱き締めた。
お題:神様が舞い降りてきて、こう言った
7/27/2024, 12:12:15 PM