2B

Open App

夜中に不意と目が覚めて、隣に目をやると、これは現実で本当なんだと、すやすやと寝てる君の頬を撫でながら思った。でも、本音を言えば、君とこんな風に触れ合うような仲になるなんて、微塵も想像していなかった。

君と初めて会ったのは数日前。君の第一印象は最悪だった。コンビニから帰る途中にいきなり凸られて、何かと思って振り向いた先に顔を引っ掻かれるし、そのまま買った鯖缶だけを奪って君は逃げていった。

そのときはいきなりなんだと、憤りが募るのを感じたが、激務終わりの一日だったために追いかける気力もなく、腹立たしくともそのまま帰ることしかできなかった。

数日後、また同じコンビニで買い物を終えて、帰ろうとしたときに再び君は現れて、前のように突撃しようとしたけど、今の俺は違う。同じことが起きないよう、しっかりと対策を練ってきた。その名も、チュールあげるから攻撃しないで大作戦。欲しいものは分かっている。ならば、交渉に出るまでだ。

結果、予想外に懐かれた挙句、家までついてきて半ば飼わせるように、家に入ってきたのだ。

全く思いがけないことも起きるものだ。でも悪いとは思っていない。むしろ、俺の当たり前を壊してくれた君に感謝だ。

7/9/2023, 11:39:11 AM