お題《どうしてこの世界は》
季節はずれの花が舞う
透きとおる空は
果ての果てまでも
花のように微笑む君
想い出しては
青に泣く
「ずっとそばにいるよ。あなたは泣き虫だから」
錆びついてしまった機械と同じ
あの日 あの時に 心止まって
もう、奏でない
君と、過ごした美しい日々
季節はずれの花が舞う
枯れ果てた空は
いつ明けるのか
虹のように輝く君
想い出しては
追憶に逃げる
「好きなものがちがっても分け合えばいいじゃない。幸せって分け合うものでしょう? あなたの幸せをわたしも感じられるって……幸せだよ。だってわたしが大好きな人だもん」
君は、いつも笑って、泣かない
――僕が泣くから
君をまもりたかった
この手を、はなしたくなかった
この手を、はなした
「幸せ、だよ。僕は」
吐き出した想いは
レモンのように、澄み渡る
レモンのように、沁み渡る
「だって君が、笑うから」
季節はずれの花が舞う
僕の真上で
僕のそばで
6/9/2025, 11:43:12 AM