エルルカ

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【お題:大空】

 大陸レークスロワ上空には、天空国と呼ばれる、浮いた国がある。
 それぞれ独自の文化を持ち、あまり大陸には降りてこない。

 ただし、例外というのはいつだっており、私、ハクはその例外の一人だ。
 元は、鳥国と呼ばれる、鳥獣人が治める天空国出身だが、戦闘中の怪我で大陸に落ちてしまった。

 そこをたまたま通りかかった、キララ……後に十王と呼ばれる一人に拾われた。
 元々騎士である私は、拾われ助けられた恩義に報いるべく、現在キララの盾となり、剣となっている。

「あらハク、空なんか見てどうしたの?」
「レナ、ちょっとね」

 レナも十王の一人で、キララの補佐を主にやっている。これでも、通称火の国と呼ばれている、とある国の女王だ。
 そうはあまり見えないが、煌びやかなドレスを普段から着ているため、気品は確かにある。が、言動が統治者のソレではない。まぁ、鳥国の女王の方が、言動はヤバめではあるが。

 私は澄み渡る大空に視線を向けた。
 今はまだ帰れない。恩を返し終わっていないから。だからと言って、いつまでもここにはいられないだろう。

「レナー! っと、ハクもいたのね!」
「キララまでって、レナを探しに来たのね?」
「あったりー! 十王なんてさー、面倒なもん放棄出来たらいいのに」
「こらキララ、そんなこと言ったら他の十王や、柱達に怒られるわよ」
「うへっ、それはやだ、特にハイナちゃんには怒られたくない」

 涙目で訴えるキララに、レナが呆れたように笑う。
 いつもの光景。日常だ。

 大空(こきょう)に思いを馳せる。
 澄み渡る空は今日も綺麗だ。

ーあとがきー

 今回のお題は大空!
 大空と言われると、希望とか夢とか、前向きな意味が浮かびますねぇ、レークスロワで前向きか、ふっと苦笑いが出ました。
 それでも爽やかになれたのではないでしょうかっ!
 さてさて、今回の語り部は鳥獣人ハクちゃん!
 飛べる剣士です。でも姉貴!って感じの性格ではなく、朗らかな、面倒見の良いお姉さんって感じ。
 内容的に説明できなかった補足も致しましょう。
 まずは柱。これは、世界の主人公、まぁ、その時代のトラブルメーカーを指します。
 今までの短編では唯一ミユちゃんが、この柱に該当します。
 それから、名前のみ登場したハイナ。彼女は、研究者地区の研究者で、柱の一人です。
 今後語る機会が多分、あると思います。多分。
 それでは、本日はこの辺りに致しましょう。
 また、どこかで。
エルルカ

12/21/2024, 4:01:24 PM