気分屋の愚痴作家

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君の背中。


きみのせなかはおおきくてそんけいするよ。

ぼくもそんなきみになれるかなぁ。


なんて、ぽっと母に聞けば

「えぇ、貴方なら絶対になれるわ。」

って答えが返ってきて、凄く嬉しかった記憶がある。

だけど、今はそんなドブのついた背中を追いたくない。

僕は僕なんだから、僕の理想の背中を創ることにするよ。


そう覚悟を決めてどんどん成長していったはずなのにさ

どうしてアンタはまるで自分かのように全てを決めつける?

僕はアンタじゃない。だから、僕の意見も聞いてよ。



なんなのさ。初めて中学生になって、

部活はどれに入ろうかな?って

初めての部活で、初めて部活の友人ができるかもって

心を踊らせてたのにさ。

「貴方は運動部に入りなさい。絶対に文化部に入らないことよ」

って、……いいじゃん。別に。自由に決めたらダメなの?

他の周りの子達はずっと自分の入りたかった部活に入れて

にこにこ笑ってるよ?

しかもその理由は

「運動部じゃないと友達ができない」

……意味がわからないよ。

僕、美術部に入りたかったよ。母さん。

美術部の友人を見てると眩しいよ。母さん。

あの子、ずっと部活の友人と笑っているよ。

それに比べて僕はどうなの。僕、もう幽霊部員って

言われてるらしいよ。だって、態々嫌な部活に励みたくないもん。



ねぇ、母さん。どうしてこの前家で絵を描いてたら、

笑いながら、不愉快な発言をしたの?

「貴方、最近部活行ってないなら美術部に入ればよかったのにね」笑

巫山戯ないでよ。僕が美術部に入りたいって言ったら

あんなにきーきー猿みたいに怒鳴ってきた癖に?

今更何?美術部に入れって?

お前が言ったことだろ。知ってるか?僕の友人にも

相談したら

「それは異常だよ。頭沸いてんじゃないの?」

って、返ってきたよ。逆に恥ずかしいよ。

母さん。僕は僕なんだ。

だから、自分ができなかったことを押し付けないでくれ。

アンタに出来ないことは僕にもできないんだよ。

僕だって人間なんだよ。何でも言い分を聞くロボットじゃないんだ。


母さんのせいで、あんなに憧れてた部活が楽しくなくなっちゃった。

あーあ。

小さい頃は君の偉大な背中がかっこよく見えたのになぁ。

2/9/2025, 5:07:11 PM