「なーごめんて」
繰り返す彼の言葉にイライラが増す
「謝ってんのに?」
違うの謝ってほしいんじゃない反省して欲しいんだ
「そのごめんは私が怒ってることに。だよね?」
「当たり前じゃんか?」
「あのね?ごめんで済んだら警察はいらないのよ
ちゃんと謝んなさい!」
しばらくの沈黙の後
「で?」
「うん
……えっと、酔って玄関の鍵閉めずに寝てましたごめんなさい」
「それから?」
「君が読みかけの雑誌を古紙回収に出してしまってごめん」
「うん」
「一番くじで頑張って当ててたアイマスのマグカップ、落としてとって取れちゃったからアロンでくっつけて知らんぷりしてごめんね」
「……うん?」
「ん?」
「それ、知らないんだけど?」
「ま……じで?……」
「…………」
「あの……ごめんね」
「…………」
「…………」
再び沈黙のあとため息混じりに落とし所を提案する
「アンジェリーナのモンブラン」
「デミサイズ?」
「いや、ホールで」
「……はい」
はぁ、今回はこれで許してやるか……
5/30/2024, 5:24:54 AM