題名「突然の別れ」
夢を追い続けた。
私は夢のために必要なことしかしなかった。
放課後は基本スタジオで過ごす。
休み時間だって楽譜と面と向かっていた。
友達に話しかけられても聞く耳なし。
そして成人しひとりで引越しを決め、
親に突然出ていくと告げ東京に飛び出した。
東京に出てからもずっと音楽を聴き、作り、歌いを
繰り返していた。
ある時、私の作った曲がヒットした。
「あぁ、やっとだ。やっと夢を叶えれる。」
立ち入り禁止という看板を避け
マンションの屋上に出る。
「なんでこんな凄い景色を見せてくれなかったんだ」
月の周りに星が群がっているように見える夜空。
今にも私の手に届きそうなその月に手を伸ばした。
だがその月は私の手に届くどころか
進んでも距離さえ縮まらない。
そして私は何かに突っかかった。
慌ててフェンスを掴むも遅かったらしい。
私の真上には今にも届きそうな月が。
5/19/2024, 10:47:50 AM