Open App

しとしと雨が降る午後3時。家を建てる時にこだわったお気に入りのカウンタースペースに腰掛け、南側のいちばん大きな窓から外を眺めていた。「雨の日に聴く曲」としてアレクサが選んだジャズ曲が、部屋を包み込むように流れる。 本棚から読みかけの本を取り出し、ドライフラワーの栞を頼りにページを開くと物語が目前に広がる。

ページを捲る指が加速する横に、君がコーヒーを置いていく音がした。

【優しさ】

1/27/2023, 4:36:57 PM