もしもタイムマシンがあったなら。
ザク、ザクという音を聞きながら、ぼんやり考える。
もしも、タイムマシンがあったなら。
積み上げらていく砂の山と、ワイワイとはしゃぐ同級生達。
もしも、もしもタイムマシンがあったなら。
過去に戻れるとしたら。未来に行けるとしたら。
「出てきたぞ!」
当時は聞くことのなかった低音が耳に飛び込む。
ハッと顔をあげれば、いつぞやに埋めた鉄の塊。
もしもタイムマシンがあったなら。
きっと、私はなにもしない。
タイムパラドックス。身の危険。未知への不安。
空想的な物事に対して、そんな現実的なことを考えて尻込みする。
非現実よりも今の安定を優先する。
私はつまらない、そして立派な大人になっていた。
7/22/2024, 8:48:42 PM