「こんな夢を見た」から始まる小説

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こんな夢を見た。父親に、お古のカメラを譲ってもらった。新しいカメラを買ったので、使って良いらしい。インスタントカメラやスマホのカメラ機能しか使ったことのない私は、大興奮で色々な物を撮影した。最初は、手ブレの酷いものやピンボケの写真が多く落ち込んだ。だが慣れてきたのか、少しずつ綺麗に撮れるものが増えていった。被写体の一番素晴らしい瞬間を切り取る、刹那の美しさを自分のものに出来るのだ。それから私はどこに行くにもカメラを首からぶら下げ、出先で写真を撮りまくった。
「うん、いい感じ。今回もいい写真が撮れたな」
満足し帰って現像すると、変なものを見つけた。
「あれ…?何だろ、この光…」
出来上がった写真を見ると、風景に重なるように白い光が写真の左上を覆っていた。
「光の反射かな…」
次の写真を見ると、また同じ場所に白い光が写っている。その次も、そのまた次も。
「近くに何かあったっけ…」
いや、そんなはずはない。撮影時に、邪魔になるような物はなかったはずだ。白い物なら尚更目立つので、気付かない訳が無い。
「…?何これ、ちょっと動いてる…?」
写真が後になるほど、白い光が少しずつ中心に移動している。ちょうど、学生時代に教科書やノートの隅に描いていたパラパラマンガのようだ。そして、白い部分に黒が混じり始めた。それはまるで、人間の…。
私はそれ以上写真は見ずに、霊感のある友人の家に写真を持っていった。友人は写真を見ると、眉をひそめた。
「これ、幽霊とかじゃないね。何も感じないし」

4/29/2026, 6:49:38 AM