不思議とわかる
例えば走行中の電車の中
出入口のガラスの向こう側
友達と笑い会いながら
通り過ぎていく貴方
例えば授業中
校庭を周回している中
遅れ始めた友達の隣で
ペースを合わせて
フォローしながら
並走する貴方
例えば廊下
ずっと向こう
校舎の端と端
友達と肩を組んで
はにかんだ笑みをみせる貴方
例えば雨の昇降口
ごった返す生徒たちの中
土砂降りの空を見上げ
大きなため息をひとつ
走り出そうとした貴方の隣に
傘を持つ友達が一人
顔を見合せて
二人で傘をさして駆けていく
例えば街中
いつもと違う服装
友達と三人で歩く後ろ姿
店先で鞄を手に取り
持ち上げてみたり
肩にかけてみたりしている友達に
別の鞄をオススメする貴方
どうしてだろう
何故だろう
遠くにいても
人混みの中にいても
貴方だけはすぐわかる
私の目は
いつもあなたを映し出す
例えば真夏の夜
夜空に大輪の花が咲く
お祭りの日の神社の境内
私の親友と手を繋ぎ
友達には見せない優しい笑顔で
楽しそうに屋台を廻る貴方
どうしてだろう
何故だろう
貴方と会えて嬉しいはずなのに
親友と会えて楽しいはずなのに
私の心は複雑で
何だか上手く呼吸ができない
私の視線の先にはいつも
友達と笑う貴方がいて
貴方の視線の先には
私の隣で笑う親友がいて
大丈夫
邪魔なんて絶対にしない
ただチョット、苦しいだけ
大丈夫
ずっと前から知っていたよ
ただほんの少しだけ
自分に都合のいい
夢を見てしまっていた
でも、もう暫くは⋯
私の視線の先に
貴方がいることを許して欲しい
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(´-ι_-`) お話にするには、時間が足りぬ⋯。
7/20/2024, 1:41:17 AM