麦わら帽子…
今日は、私の爺さんの話をしよう。
爺さんは貧乏な農家に生まれ
10年以上前に104歳で亡くなった。
戦争では陸軍の二等兵だった。
顔が馬に似ていたので、上官や仲間から
名前ではなく「ウマ」と呼ばれていた。
隊での爺さんの仕事は、主に動物の世話だった。
馬や牛、鶏なども居たようだ。
戦争が終わり、帰路に広島でお手伝いをした。
しかし、爺さんはそのことをあまり話さなかった。
さて、
爺さんは上官から上等の毛布を譲られて持ち帰った。
上官はいつも革靴を履いていた。
そのため、ひどい水虫に悩まされていた。
農家の生まれで稲わら細工が得意だった爺さんは、
上官のためにわら草履を編み、水虫を治した。
そのことのお礼だったようだ。
この美しい地球のあちこちで…
戦火は絶えない。
戦争に勝者などいないのに…。
………。
8/11/2024, 11:06:40 PM