花畑
それぞれ自分たちに割り充てられた区画にお行儀よく並んで一斉に咲く、色とりどりの花。
春の訪れを知らせるチューリップを先頭に、可憐な黄色の菜の花や、艶やかなツツジ、人気者のパンジーやビオラたち。
晩春を彩るのは言わずと知れた丘陵地を埋め尽くすほどの芝桜。
どこまでも続く壮大なピンク色の絨毯は、毎年この時期の風物詩となり訪れる人々の目を楽しませている。
もちろんこれらの花は、どれも文句の付けようがなく美しく素晴らしいのだけれど。
どうも天の邪鬼な私は、そうやって人為的に作られた優等生のような花にはちっとも魅力を感じないのである。
それよりは、空き缶やタバコの吸殻が無造作に投げ捨てられているような道端の植え込みの中でひっそりと咲く、名も無き雑草に妙に心惹かれてしまうのだ。
自分でもつくづく面倒くさい性分だなぁと思っている。
お題
花畑
9/17/2024, 10:09:26 AM