耳を澄ますと、あの人の声が聞こえてきた。少し低くて聞きやすい声。あの人の声だけはつい聞いてしまう。好きな人だからではない。私は彼の声が好きなのだ。彼は私のことを知らないだろう。なにせ、この高校3年生の今になってさえクラスは一緒になった事はない。
5/4/2024, 3:58:46 PM