海喑

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私の傍から離れないでよ。
私の傍でずっと笑っていてよ。
私の傍でだけ、満面の笑みを見せてよ。
私の傍から、離れないでいてよ。
貴方には言えない、私のホントのおもい
でも……もう言わないのは限界だ。
他の人と私と話してる時と同じくらいの笑顔の貴方を見るのは。
そして、2人きりの時に貴方が飲んでいたレモンティーに睡眠薬を入れ、眠ったのを確認し貴方を攫った。

仄暗い、小さな部屋で。貴方が目を覚ます。
「……かっ、海喑?!」
「やっと起きたね、おはよう」
「ここって…」
「そう、私の家よ」
「なんで…?」
「だって、貴方が他のみんなの前でも私と話してる時と同じくらいの笑顔になるんだもん。
ねぇ。私の前でだけ笑顔を見せてよ。私にだけ笑って見せてよ。私の傍にだけいてよ。」
貴方は重そうに口を開く
「……なぁ、おかしいだろ。これは」
「なにが?」
「今、海喑がしようとしてることだよ…!」
「貴方が悪いの!私以外の人と仲良くしてる!
ねぇ…私の傍にいて。そしたら全部許してあげるから……」
怒っている貴方に優しく抱きつく。
私は貴方を大好きだからこうするの。怒らないで
そう小声で言いながら。
私達が、はなればなれにならないようずっーと傍にいてあげるから
だから、ずっとここにいてよ、ここで笑顔でいてよ。
ね?

11/16/2023, 12:35:49 PM