私は浅間 史矢(あさま しや)
25歳の才能溢れる美男子である。
超有名大学を出て、
晴れて今年から国家公務員として
働くことになった。
詳しくは言えないのだか、
国家の中枢を担う重要役職である。
私の眼はキラキラして、
胸はワクワクではち切れそうだ。
しかし、
半年ほど勤めて萎えてしまった。
政治家連中は汚職まみれ。
警察組織も権力を盾に好き放題。
その後始末(隠蔽工作)は
いつも私の役職の仕事である。
「チクショー!」と、怒鳴る。
「私がしたかった仕事は
こんなことじゃない!」
と酒をあおるように飲んだ。
そしてつぶやく、
「自分が汚せる場所がないじゃないか!」
そう、
私はもっと権力を利用して
甘い蜜を吸いたかったのだ。
ようやく好き放題できると思ったのに、
すでに汚せる所が残っていなかった。
「ああ…人間はなんて醜いんだ…」
9/14/2025, 3:20:36 AM