あめめ。

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私の名前

わたしは自分の名前が大嫌いだった。
中学時代の同級生にわたしと同じ名前の子が2人いた。
1人は美人で、勉強ができて、絵が上手で、運動もできる。完璧な子だった。
もう1人は真面目で、勉強ができて、運動ができて、先生から頼られて、お友達からも愛されてる。優等生という言葉が似合う子だった。
わたしはそんな子たちと名前が一緒のことを何度恨んだことか。わたしの努力不足ってことは知ってる。その子たちが努力してることも知ってる。でも生まれ持ったものが違いすぎる。どうして。何回も名前を変えたいって思った。
そんなことをだいすきな人に話した。そんなことで、みたいな表情をされてしまったが、中学生の頃のわたしにとっては、そんなことが全てだった。
今では自分の名前を少しはすきになれたと思う。
同じ名前の人がクラスにいないから、みんな下の名前で呼んでくれる。何だかなれない感じがするけど、すごくうれしい。今まで苗字で呼ばれていたから、名前で呼ばれるってこんなにうれしいことなんだなってはじめて思った。名前で呼ばれる度に、「そっか、わたしのことか」って思ってる。
それに、だいすきな人が名前で呼んでくれるようになった。優しい声で呼ばれる度になんだかくすぐったい感じがする。うれしい。LINEではじめてあなたがわたしの名前を書いてくれたとき、すごくうれしかった。
自分の名前なのに自分の名前じゃない気がした。今でも見返しちゃう。
わたしは、中学を卒業して出会えた大切な人たちと、だいすきな人のおかげで自分の名前が少しすきになれた。些細なことかも知れないけれど、ありがとうって伝えさせて。

7/20/2024, 10:16:14 AM