とある恋人たちの日常。

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 夜勤明けで家に帰る。
 さすがに恋人は眠っていると思うから静かに居間に向かおうとした。
 すると、寝室から勢いよく扉が開く。
 
「うぇ!?」
「おかえりなさい!!」
 
 その音に俺の方が驚いてしまった。笑みを浮かべた彼女に驚いたのは申し訳なかったけれど、起きているとは思わないじゃない。
 
「うえ?」
「いや、起きてると思わなくて……」
 
 俺の言葉ににんまりと微笑んで、いつものように俺の胸に抱きついてくれる。俺もそれに応えるように抱きしめ返した。
 
 外が寒かったから彼女の体温が心地よくて、少しだけ強く抱きしめてしまった。
 
「そと、寒かったんですね」
 
 その言葉を聞いて彼女から離れようかと思ったけれど、彼女腕は俺を強く抱きしめてくれている。
 
「俺、冷たいでしょ。ごめん」
「私で温まってくださいね〜」
 
 そう言いながら、更に強く抱きしめてくれた。
 
 ……寝ていた様子もない彼女。これは俺が帰るまで起きていた……よな、これ。
 
 そう思うと、彼女への愛しさが身体をめぐってくる。
 
 こういう小さな思いやりを感じるとき、俺は彼女といる自分がしあわせだと思った。
 
 
 
おわり
 
 
 
二三三、幸せとは

1/4/2025, 1:17:56 PM