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終わらない夏 足音 なぜ泣くの?と聞かれたから きっと忘れない です。
まだまだ書けていないお題がたくさんあるので、少しずつですが、書きたいと思っていますm(_ _)m


終わらない夏

「はぁ~、今日も暑いなぁ」
8月も終わりだというのに、太陽がギラギラと照りつけ、外回りをする営業職の俺の体力は、ジリジリと削られていた。
「そうですねぇ…あ、かき氷食べません?」
一緒に行動をする新人の彼。営業の仕事を教えるため一緒にいるのだが、汗をタオルで拭きながら、かき氷の暖簾を見つけ、にこにこしている。
「そうだな、少し休憩するか」
「やった~」
彼はうれしそうに店へと駆けていく。
「若いっていいよな」
苦笑いしながら、俺も店へ足を運んだ。
「う~ん、冷たくておいしい」
頬に手を当てはしゃぐ彼に
「元気だなぁ」
ハハッと笑うと
「暑い中外を歩く、僕たちの癒しじゃないですか、かき氷」
フフッと笑い、かき氷を堪能している。
「まあ、そうかもしれないけど…早く涼しくなってほしいよ」
ふぅ。とため息を吐くと
「そうですね。でも僕は、夏にしかできないことを、まだやりきってないので、まだまだ終わらない夏を満喫します」
と、ニコッと笑う。
「そうか。楽しんでくれ」
終わらない夏にうんざりしている俺は、彼のキラキラとした笑顔を見ながら、かき氷を口に運ぶのだった。


足音

「ただいま」
玄関を開けそう言うと、パタパタと奥から音が聞こえる。
「おかえりなさい」
パタパタの音は、キミの足音。帰ってきた僕を迎えるために、毎日手を止め、玄関まで来てくれる。
「お疲れさまでした」
労う言葉に優しい笑顔。キミがいてくれるだけで、仕事の疲れが取れていく。
「ありがとう」
1人じゃない。と教えてくれる足音。足音は、僕にとって、幸せの音なのでした。


なぜ泣くの?と聞かれたから

なぜ泣くの?と聞かれたから
泣きながら、胸が苦しいから。と答えた。
どうして苦しいの?とさらに聞かれたから
あなたのことが好きだから。と素直に答える。
え?と口元を手で押さえ、困惑する彼に
私はクラスで目立たない存在でしょ?私の名前もわからない人がいるくらいに。でも、そんな私のことを気にかけて、声をかけてもらえて、うれしくて。気が付いたら、あなたのことを好きになってた。
そう言うと、あなたは私から目をそらす。
ごめんなさい。気持ちを伝えたら、あなたを困らせる。わかってたから、言うつもりはなかった。でも、想いがあふれて苦しくて…。
慌てて謝ると
いや、そうじゃなくて
あなたは、そらしていた目を元に戻し
俺も、キミのこと、気になってて。だから、声をかけてたんだ。
ほんのり、頬を紅く染める。
確かにキミは、クラスでいつも1人でいる。けれど、そのことを気にすることなく、臆することなく、凛としていてカッコいいと思ってたんだ。だから…
あなたは私に手を差し出し
もっとキミのことが知りたい。それで、俺のことも知ってもらったあと、良ければ付き合ってほしい。だからまずは、友だちになってください。
ニコッと笑う。
ありがとう。お願いします。
差し出された手をそっと掴むと、私は微笑んだのでした。


きっと忘れない

きっと忘れない。あの日の出来事を…。
俺が小学生のとき、夏休みに遊びに行っていた祖父母の家。
近くに住んでいる女の子と川で遊んでいたとき、2人とも川に流された。
運良く2人とも助けてもらったけど、流される恐怖、女の子の助けを呼ぶ声、助かったときに女の子と抱き合って泣いたこと。今でも心に、耳に、残っている。
女の子の名前は覚えていない。でも、しばらく訪れていない祖父母の家を、近々訪ねてみようと思う。

8/25/2025, 9:47:39 AM