裏表のないカメレオン

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頭上には満天の星。流れ星みえるかな。もし流れたら、私は、あれをお願いしよう。
草原に仰向けになった。よし、これでもう見逃すことはない。
それから隣にいるそいつに声をかける。何を考えてるのか、いつもそいつは、ミステリアスな雰囲気を漂わせている。
「突っ立ってないで、寝転がってみなよ。気持ちいいんだぜ」
そいつは私を見下ろし、
「おまえ、いつの間に」
といった。あいかわらず、感情が読めない奴だ。
ただ髪を風になびかせて、気持ちいいのか、母に撫でられてるみたいに目を細めている。
あ。
いま、夜空に引かれた斜め。うわあ、願い事するの忘れてたわ。

4/25/2024, 11:18:36 AM