ほむら

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嫌なことがあると、何でも自分ではなく、誰かのせいにしてしまう。他人にそれを言うことは無いのだが、心の中で現実逃避をするようにそうしてしまうのだ。そんな自分に甘すぎる最悪な私なんか、誰にも見せたくない。だから、そんな時は一人で部屋の隅で泣いていることが多いのだ。

「おや、こんな所にいたのですか。探しましたよ」

今日も嫌なことがあり、一人で泣いていたら彼が部屋に入ってきた。一番見られたくない人に見られてしまい、さらに慌ててしまう。涙を止めようとすればするほど溢れてしまう。

「よしよし…泣きたい時は泣いていいんですよ」

そう言って隣に座った彼は、優しく微笑みながら私の背中を撫でてくれた。無理に聞くようなこともせず、ただ隣で慰めてくれたのだ。そのおかげで次第に涙も止まってきた。

「ありがとう、あなたになら話せそう」
「俺でよければ、ぜひ話してください」

そうして今日起きた嫌なこと、そしてそれを自分のせいではなく、どうしても他人のせいにしてしまうことなどを包み隠さず話した。

「ね、こんな私最悪でしょ?嫌いになるよね」
「そんな事ないですよ。何もかも自分のせいにしていたら、貴方の心が壊れてしまいます」

彼は私の自己嫌悪に対して、即座に否定してくれた。そして、私のしていることは間違っていない、人は誰しも弱い部分を持っているからそれでいいと言ってくれた。それを聞いて安心した私は、今度は感動で涙を流した。

テーマ「最悪」

6/6/2024, 10:44:16 AM