雷鳥໒꒱·̩͙. ゚

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―友達―

私は、小さな頃から友達が居なかった。
たぶん、私が歳に似合わず陰気だったせいだ。
みんな、何となく近寄りづらかったんだろう。
でも、そんな私にも、1人だけだけど、
友達ができたことがあった。
それは、私が7つか8つだった時の話だ。

帰り道、私は、嬉しさのあまり、スキップをした。
最近できた私の友達1号が、私の家に
遊びに来てくれることになったのだ。
遊ぶのは明日。
帰ったら、サッと宿題を終わらせて、
部屋を綺麗にして…
初めての友達を迎える準備をしなければ。
お母さんも喜んで許可してくれたし、
もう今からワクワクだ。

そして、友達を待ち合わせ場所まで迎えに行った。
他愛のない話をしながら家に着き、
ただいま〜!連れて来たよ〜、と、
お母さんに声をかけ、友達と一緒に家に上がった。
すると、お母さんは、
「…あれ?お友達は?」
家をキョロキョロ見渡しそう言った。
『え、お母さん、何言ってるの?
ちゃんとここにいるよ!!』
「お母さんを騙そうとしているの?
馬鹿な真似はやめなさい!」
私は困惑した。
だって、友達は紛れもなくここにいる。
当の本人は、目を伏せて俯いている。
その割には口角が上がっていて、
私は、その時初めて日常で恐怖を覚えた。

10/26/2022, 11:22:22 AM