黒山 治郎

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夜闇に降り注ぐ五月雨に喜び
曇り空を所々で割った朝日の下で
何時もより多い朝露に輝く花弁
大きな葉から滴が垂れるのを見た。

青、紫、赤、白…
土から吸い上げた成分で
様々な色に染まる装飾花
瑞々しい花序へ視線は吸われ
夏を彩る小さくとも大きな花に
自然と足が止まってしまった。

現実の中に滲み咲いた水彩絵の具は
今年も、視覚的な涼しさを齎す程に
涼を花へと蓄えて、初夏を飾っていた。

       ー あじさい ー

6/14/2024, 8:47:51 AM