【あなたは誰】
『あなたは…誰ですか?」
先日、愛する人からこの言葉を言われた
戸惑った、苦しかった、辛かった、痛かった
君の『あなた』がどれほど僕に刺さったかなんて君は知るはずもない
「……僕はあなたの知り合いです」
考えた結果、この言葉しか出なかった
『あなた…すごくいい人ね』
『雰囲気で分かるわ、いい人だって』
「え……」
君の突然の『あなた…いい人』は更に僕を困惑させた
…が、その言葉はさっきの『あなた』よりは心が軽い『あなた』だった
『不思議ね、どこかで会った気がするわ』
『お名前、何て言うの?』
『私ーーって言うの、仲良くしてくれると嬉しいな』
そう言って君は僕に濁りのない笑顔を見せてくれた
数週間前までは笑顔も、声も、動きも何も無かった
でも、今はまた笑ってくれている
それも初対面の人に
『不思議ね』…
君は本当に不思議だよ
顔や声は覚えていなくても雰囲気は覚えているんだね
それもそっか、
君と過ごした日はあの時の同級生たちよりも長いんだから
その分の思い出も負けないぐらい持っている…
あぁ…本当にまた一からやり直しなのか……
君の笑顔をずっと見るために僕はまた長い道のりを…
「…不思議だね、僕も会った気がする」
「僕はーーって言うんだ」
「僕も君と仲良くなれたら嬉しい」
そう言ってるうちに目に涙が溜まっていくのを感じた
初めの一言以外は全て同じ言葉だったから
これは君からの勝負でいいかな?
これから僕は今の君を好きになって愛するつもりだ
君はそれに追いついてくれると助かるな
でも安心して、君がどんなに遅くても、追いつけなくなっても僕は君のペースに合わせる
そのペースの中で僕に着いてきて欲しいな
誰よりも一緒にいたいから
前の君は鈍臭くて天然な子だ
今の君がそれと近くても、僕は何度だって君に告白する
ゆっくりでいい、長い道のりだとしても
君との思い出を
新しい思い出を一緒に作っていこう
2/19/2025, 1:48:14 PM