「ねぇ、」
わたしの声に、君はこちらへ振り返る。
君の輝いているような、澄んでいるような、死んでいるような。そんな瞳が私を見つめている。
「……なぁに、そんなひっどい、顔して。」
「目障り。」
いつもと変わらない鋭く脆い言葉に、わたしはつい笑ってしまう。自分を強く見せるためだけの言葉を、君がなによりも弱いことを知った私にやったって意味は無いのに。
人間はそう簡単に変われないらしい。
「……ここから落ちたら、死ねるとおもう?」
「こう、ぐしゃって。原形もないくらい。」
「知らない、頭から落ちれば死ねはするんじゃない?」
冷たく答える君に、わたしはもうひとつ質問を投げかけた。
「ここで、今死にたいって、…おもう?」
「………うん。でも、それは…」
「ねえ、」
「……いっしょに、終わりにしよう、?」
心臓の音で、自分の声が聞こえないけど。
『終わりにしよう』
7/15/2024, 10:40:17 AM