冬華(トウカ)

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君がくれた、毛糸で編まれた手ぶくろ。あとで調べてみたけど、どこにも売ってないし、タグもなかった。君は言ってくれなかったけど、君が編んでくれたんだね。ありがとう。

そんな手ぶくろも、もう長年使ってきて、私の手に合わなくなっちゃったよ。もう、はめられないや。

私の手にしっくりくる手ぶくろは、今はまだ見つかってない。君がくれた手ぶくろだけだ。

私が君の手ぶくろをもらうのは、いつになるんだろう。でも、すでにわかっているのは、私の命の鼓動がある間には、会えないということ。

「手が…冷たいよ…」

私の心に空いている穴を通り抜ける、冷たい風が、私の無防備な手と、私の体と心を、冷やして行った。

12/27/2023, 10:44:07 AM