はい、これ就職祝。
そう言われて手渡されたのは赤い包装紙に包まれた箱。リボンもついていて、とても可愛らしい。いつもはこんなもの渡してこないのに、どうしたものか。
ありがとう、お兄ちゃんからのプレゼントなんて、めずらしいね。
あえて余計な一言を付け足してみたものの、兄は一切の反応も見せない。口を開けたのかと思えばとりあえず開けてみて、の一点張り。仕方ないのでしぶしぶ開けてみることにした。
あ!これ!
思わず大声が出てしまった。これは前々から私が欲しがっていたネックレスだ。だが、少し値段が高くて、なかなか買えずにいた。高かったでしょ、と聞いてみると、
いつもなにもしてあげれていないから、奮発したんだよ。と一言。兄はそこまで年収が高くないので、だんだん喜びよりも心配のほうが強くなってきた。色々言いたいこともあった、しかし、あえて言わないことにした。それよりも言いたいことがあったから。だから、最後にもう一回、もう一回だけ言いたい。
ありがとう。
12/23/2022, 2:37:01 PM