《巡り逢うその先に》
第2章 11
主な登場人物
金城小夜子
(きんじょうさよこ)
玲央 (れお)
真央 (まお)
綾乃 (母 あやの)
椎名友子 (しいなともこ)
若宮園子 (わかみやそのこ)
大吉 (だいきち)
東山純 (ひがしやまじゅん)
向井加寿磨 (むかいかずま)
ユカリ (母)
秀一 (義父)
桜井華 (さくらいはな)
大樹 (父 たいじゅ)
高峰桔梗(たかみねききょう)
樹 (いつき)
葛城晴美 (かつらぎはるみ)
犬塚刑事 (いぬづか)
足立刑事 (あだち)
柳田剛志 (やなぎだたかし)
桜井大樹(さくらいたいじゅ)
横山雅 (よこやまみやび)
京町琴美(きょうまちことみ)
倉敷響 (くらしきひびき)
黒鉄銀次 (くろがねぎんじ)
海江田
自転車業界を狙った詐欺事件の被害者達は店を取り戻すために団結し、2週間後に弁護士を交えて話し合うことになった。
サイクルショップ田中の社長はあまりのショックから、胃潰瘍を再発させ、小夜子に全てを任せることにした。
椎名友子はバイト先の社長(小夜子のおじいちゃん)の計らいで小夜子の手伝いをバイトしてすることになった。
そして2週間後、東京へ出発することになる。
桜井華は父殺害の証拠を手にできず、しかも、黒鉄銀次と繋がりのある海江田まで殺害され落ち込んでいた。
「桜井どうした。落ち込んでるヒマなんかないぞ!」
「犬塚さん、福島への出張お疲れ様でした。何か掴めましたか?」
犬塚は福島で会った少年が、華の父の生まれ変わりであることを伝えたかったが、“華には言うな”と硬く口止めされたために言えずにいた。
その時、高峰桔梗から連絡があり、チンピラ風の男が華に会いたがっているというので、待ち合わせ場所に向かった。
「華さんこの男です」
「どうしたんだ、傷だらけじゃないか」
「そんな事はどうでもいいんだ。あんた、兄貴のカタキを取ってくれるかい」
「お前、海江田の舎弟か?」
「ああ、兄貴はこうなる事がわかっていたのかもしれない。出掛ける前にコイツを俺に預けたんだ。
何かあったらコイツを桜井っていう女の刑事に渡せって」
それは、ジップロックに入った血の付いたナイフだった。
「これは、まさか」
「これがあれば、黒鉄さんを死刑にできるらしいぜ」
「ありがとう、よく持って来てくれた。病院まで送ろう」
「よしてくれ、これ以上マッポと関わるのはゴメンだ」
「そうか、わかった」
「おっと、忘れるところだった。
自転車業界の詐欺被害者達が団結して東京で集まるらしいが、黒鉄さんはそいつらを個別に襲って解散させようとしているようだぜ」
「という事は黒鉄銀次も東京に居るってことか」
華と桔梗は署に戻り犬塚刑事に報告をした。
「でかしたぞ桜井、高峰。早速ナイフは鑑識に回せ、俺達は東京に向かうぞ」
「私も同行させてくれませんか?
東京には弟がいます。そこを拠点にして動けると思います」
「いいだろう、高峰も来い」
こうして、桜井華、高峰桔梗、犬塚刑事は東京へと向かった。
犬塚はこの事を柳田少年(桜井刑事の生まれ変わり)に話すべきか悩んだが、言わなければ後でこっぴどく怒られると思い連絡することにした。
「わかった、知らせてくれてありがとう。俺も東京に向かうあっちで合流しよう。車を1台回してくれ」
「それはできません。どんな理由でパトカーに小学生を乗せて東京まで連れてこさせるんですか?」
「それもそうだな、なんとかするしかないな」
隣りで聞いていた横山雅が話しかけてきた。
「剛志、どうやって東京に行くの?」
「それが問題なんだ、何かいい手はないか?」
「私も一緒に行っていいなら、私がお金出すわよ」
「そんなお金よく持ってるな」
「そんなの妻として当然でしょ。
玲央・真央のお姉ちゃんと一緒に行きましょう」
こうして、剛志も東京へと向かうことになった。
京町琴美と倉敷響は東京に戻り響の父の病院で、昔のカルテをデータ化するアルバイトをしていた。
「響、このカルテちょっと見て」
「どれ、鬼龍院加寿磨って福島の金城小夜子さんの探している相手じゃないか。この病院に通ってたのか」
心療内科の担当医はまだこの病院にいたので話しを聞いたところ、強いショックを受けたことにより、記憶を封印してしまったのではないか?とのことであった。
また同じような強いショックを受けると記憶が戻る可能性があるが、医師としては容認できないとのことであった。
そして、向井法律事務所が中心となり、自転車業界詐欺事件被害者の会の弁護団が結成され、加寿磨は高峰樹とともに義父の手伝いをすることとなった。
第2章 完
8/2/2024, 10:58:02 AM