はじめ

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【快晴】

ドアを開けて、太陽の光が差し込んでくる。目を細める。
見上げると、雲ひとつない空が広がっていて、つい口角が上がってしまうのを押さえきれない。
こんなわくわくするような天気の日に、出発できるなんてなんてラッキーだろう、思うだけで嬉しくてたまらない。
靴紐を閉め直し、脇に置いた、びっくりする程おおきくなってしまった荷物を持ち上げる。重いのは仕方ない。寧ろその重さが嬉しい。
「さて」
呟いて、開けたままのドアから、部屋を振り返って、
「いってきます」
誰もいないけど、一応言ってみる。ゆっくり、ドアを閉める。
ドアの中の惨状を永遠に閉じ込めて、爽やかな青空の下に一歩踏み出す。



部屋の中は散らかっていて、赤く赤く染まっていた。

4/13/2024, 12:47:24 PM