『鏡の中の自分』
⚠️嘔吐描写有り 苦手な方は飛ばしてね
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ふと、嫌な事を記憶の底からフラッシュバックする。
目の前が闇に包まれる。
暗くて、何も見えなくて、出口がない。
そんな空間に閉じ込められた記憶。
っ、…クソ、、。
悪態を吐いたところで変わらない、息が上がり呼吸がしづらくなってくると同時に気持ち悪さが腹から喉に向かって押し寄せてくる。
最悪…ッゥ"、ぇ、気持ち悪い、………。
吐き気を催し、急いで便所に向かいトイレの前に座り込む。どうせなら、胃の中のモノを全て吐いてしまおうと、指を突っ込み。自分のくぐもった呻き声が聞こえてくる。ずるりと自分の手を引き抜くと共にビチャビチャと汚い音が響き、嫌な臭いが辺りに充満してくる。
あぁ、気持ち悪い。嫌な思い出も吐く事も全部。
全部、吐き出し終わったようで徐々に、嘔吐感が治るとレバーを操作し、吐瀉物を流してしまう。
溜息を吐きながら立ち上がると、洗面所に行き、口を何回かすすぐ。
何気なく、目の前の鏡を見ると大きい傷跡のある目の下に深い隈がある酷い顔をした男がいた。
「っふ、は…はは、あーあ、酷い顔」
なぜだか笑いが込み上げ、乱雑に口を拭い、顔の傷跡に触れると、笑みがなくなり表情が曇る。
「………元からか」
何を思ったのか拳で鏡を殴っていた。
鏡にヒビが入り、顔が見えなくなる。
手からは血が出て、痛いが、……、
自分で自分自身の顔なんて見たくもない。
鏡の中の自分にも自身にも反吐が出る。
11/3/2024, 1:18:34 PM