今日まで色々バタバタしちゃって大変だったね。ほんとに、急なことだったからキミにはすごく迷惑をかけたと思ってる。ごめんよ。ていうか謝るのはそこじゃないか。
ごめんね。
こんなふうに、キミを置いてく形になってしまって、本当にごめん。黒い服に身を包んで最後の挨拶を参列者にするキミの後ろ姿。近付いて、そっと抱き締めてあげたい。1人でも気丈に振る舞うその背中を。僕はもう、見つめることしか出来ないなんて。
『主人は生前はたくさんの方々に愛されていた人でした』
その言葉がすごく心に沁みるよ。そんなふうに言ってくれるけれど、誰よりも僕を愛してくれたのは紛れもなくキミだった。キミと過ごした時間とたくさんの想い出の数が何よりの証さ。挙げだしたら果てがないんだ。キミと見たもの行った場所触れた所。全部ぜんぶ、残すことなく一緒に持ってゆくからね。キミから貰ったありったけの想いを棺桶に詰めておくれ。もう、ぎゅうぎゅうで蓋が閉まらないくらいに。
『どうぞ安らかに』
ありがとう。ゆっくり休みながらキミの夢でも見るとするよ。
おやすみ、愛してるよ。
11/19/2023, 4:54:15 AM