食欲の化身

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『真夜中』

真夜中のカップラーメンは罪である。

味はもとより、香ばしく食欲を誘う蠱惑的なあの香り、熱々の麺…。少ししょっぱい汁は、最後の最後まで私達を楽しませてくれる。

そもそも3分という短時間で完成してしまう点が憎い。
真夜中は何もやる気が起きないという人間の仕組みを利用し、お湯を注ぐだけという単純作業にすることで、私達をいとも簡単にカップラーメンでも食べるか、という気持ちにさせてしまう。

それに加え、真夜中にカップラーメンを食べるという明らかに健康に良いとは言えない行為。
それによって生まれる“背徳感”がカップラーメンの魅力をさらに増幅させている。

丁度良い量、効率の良い調理方法、そして真夜中にカップラーメンを食べるという背徳感…。

あらゆる点においてカップラーメンとは計算され尽くしている。
だからこそ、カップラーメンは長い間、私達の夜更かしの相棒として愛され続けている。

カップラーメンとはつまり、私達の最高の親友にして、最大の敵なのである。

5/17/2024, 12:15:20 PM