おぉーい――・・男の声がきこえる。姿はみえない。おぉーい――・・右足を一歩前に出そうとして左足が埋まったところで、自分がいま砂の上に立っていることに気がついた。はた、と前を向く。足元の砂地は、先の先まで続いているようだった。周りもまた見渡す限りの砂地である。おぉーい――・・なんとなく心許なくて、声のする方を探して歩きはじめる。足をとられて思うように進まず、次第に苛立ってくる。
9/23/2024, 6:10:21 AM