狭い部屋に、42人。
皆んな、制服を着て自分の席に座る。
私の、隣の席の女の子は明るくて人気者。
しかし、情緒不安定なところがあって地雷多め。
そんな彼女が言った
「アイツのこと好きでしょ?」
ドキッとした。私の顔を覗きこんでいたずらに笑う彼女に。
「アイツのこと、、、好きじゃないよ」
ぐっと目を開いて驚いてる彼女。
残念そうに、そっか、と言ってまたアイツの事を見る彼女。
その時気づいた。彼女は、アイツのことが好きだということに。もし、私が「うん」と言ったらどうしたのだろう。彼女のことだから、一緒に頑張ろうと言いそうだな。そんなこと思いながら。机の上に、ぽたり、ぽたりと涙を落とす私。
私が、好きなのは、アイツじゃなくて、
「貴方なんだよ」
あっという間に散った恋。あれから、話し掛けて来なくなった彼女。あんなに、楽しかった教室が今では、狭い地獄になってしまった
6/4/2023, 4:53:14 PM