セイ

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【朝日の温もり】

夜は嫌いだ。
真っ暗で、冷たくて、闇の中で此方を見つめる「怪物」に喰われてしまいそうだと、ひたすらに怯え続けた。
いつの日か、夜に眠るのが怖くなった。眠ることができなくなってしまった。

昼過ぎに起きて、夕方から日付が変わる少し前まで仕事して、日付が変わった頃に帰ってビクビクしながら夜を明かす。
月1の通院日に最近どうだったか話して、場合によっては短期入院。
そんな日々を繰り返してもう4年近くになる。
生きるのも、死ぬのも、正直どっちでもいい。
僕は何者にもなれなかった空っぽの人間だから。

ふと時計をみると針は8時を示していて、窓の外からはいつものようにガヤガヤと近所の子供たちの元気な声が聞こえ始めた。
カーテンの隙間から覗くこの朝日だけが、僕の心を癒やしてくれる。
「あぁ、なんだ、もう朝か…」
睡眠薬を水と一緒に口に放り込み、朝日の温もりに包まれながら今日も僕はベッドで眠る。

6/9/2024, 11:12:44 AM