夏の雨

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ドクンドクン…と徐々に鼓動が速くなっていく。
もしも…もしも…未来が見えるのなら…。
どうかこの恋が…実るのかが知りたい。
でもそんな事は出来ない。だから例え叶わなくても…いつも通りに振る舞おう。
ガタガタッと少し錆びているような音がした。
ドアに彼が立っていた。
「………返事の事、なんだけど」
そう言いながらドアを閉める。
「「…………」」
沈黙が続く。今は鼓動の音と呼吸の音、そして外で喋っている声だけが聞こえる。



その沈黙を破ったのは、大好きな彼の声だった。
「その、ありがとう。これからよろしくっ…」
「っ?!!」
一瞬時が止まったのかと思う。夢なのかな、とも思い頬をつねるが痛みがはしる。
本当なんだ。夢じゃないんだ…!
「よかった…」
「それじゃあ、一緒に…帰ろっか。」
「ん、」と彼が手を出す。私は彼の手を取った。
未来は…やっぱり見なくてよかった。
夕焼けを背に、私達は帰った。

#もしも未来が見れるなら
お題が毎回凄い考えさせられるなぁ…

4/19/2023, 10:28:45 AM