いつからだったか、いつも良い顔をしたくて気分が乗らないと連絡を返せなくなってしまった。
ほんの少しでも気分が晴れない時は既読も付けずに、携帯を弄る。少しだけ指をズラして軽く触れれば見る事なんて出来るのに、それすら嫌になるのだ。
今日も何だか完璧に返せない気がして、話題のスイーツ特集をスクロールしている。
その時、通知に一言『助けて』の文字が流れた。
仲の良い友人からで、強かで一人で抱え込んでしまう彼女からそんな言葉を初めて聞いた。
だから衝動的に普段はしない速度で既読を付ける、嫌な予感がして冷や汗が背中を伝った。
『どうしたの』そう打ち込んで、送信しようとした時に続けて連絡が来る。
『こうしないと見ないでしょ?』
彼女が一枚上手だった様だ。
7/12/2023, 11:12:22 AM