蓼 つづみ

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無垢に広げられた指先は丸く柔らかく、
すり抜けてゆく風さえもぎゅっと握り、
五感いっぱいで世界を受け止めようとしている。

水たまりのさざ波は、
高く弾む笑い声と澄み渡る青を映し出し、
野の小さな花には、目を輝かせながら手を伸ばす。

境界も恐れもまだ知らず、
世界はただ、君の手の届くところから笑い返している。

根源的な祈りは願いの形にならないで、
どうか、その瞳に映る景色がいつまでも光を返し続けますようにと響き続ける。

空は、君の瞳が向いた先から始まって、
でも、君の心の中の広がりのぶんだけ続いている。

――だからきっと、空には終わりがないんだ。


題 祈りの果て

11/13/2025, 10:29:33 AM